皆さんは、自分のストレス度合いをしっかりと把握できていますか?
ストレスというと心の問題のようにとらえる方も多いかと思いますが、実際は心だけでなく体にもさまざまな影響をもたらします。
「ストレスで胃が痛い」「緊張するとお腹が痛くなってしまう」などの不調を感じる方も多いでしょう。
ストレスはこうした体調不良を引き起こしますが、それだけではなく、脳もストレスによって萎縮することがあります。
今回はストレスが脳に与える影響について紹介します。
ストレスがいかに体にとって悪影響を及ぼすものであるかを知ることで、ストレスをためないための生活習慣や自分なりのストレス発散の大切さを考えるキッカケになれたらと思います。
過度なストレスによって脳が萎縮する

ストレスや不安を抱えている状態は、脳を萎縮させてしまう背景因子のひとつです。
脳がストレスを感じると、副腎皮質からコルチゾールというストレスホルモンが分泌されます。
コルチゾールとは本来、糖やたんぱく質などの代謝に関わっているものですが、慢性的なストレスによって過剰に分泌され続けると、脳の神経細胞を破壊してしまう可能性もあるのです。
ストレスによる脳疲労
脳疲労とは、大脳新皮質と大脳辺縁系、間脳のバランスが乱れてしまった状態を指します。
大脳新皮質とは知覚や運動を司る部分で、大脳辺縁系は記憶、間脳は自律神経や内分泌の働きを担っています。
ストレスによって、こうした脳の働きが低下すると、脳疲労と呼ばれる状態になり、さまざまな異変が起こります。
また、人間の脳は、強いストレスを感じると感情や記憶を司る「前頭前野」の機能を低下させます。
前頭前野の機能が低下すると、脳内の神経同士の結びつきが弱くなり、少しずつ活動が弱まってしまうのです。
ストレスによって感情の制御ができなくなる

前頭前野は喜怒哀楽といった感情を制御している部分でもあります。
強いストレスにより前頭前野の機能が低下すると、うまく感情のコントロールができなくなる可能性があります。
例えば、今まで抑えきれていた感情が爆発したり、逆に無気力になったりすることもあるでしょう。
こうした変化は、ストレスホルモンであるコルチゾールの濃度が高くなるにつれて起こりやすくなります。
「ストレスでイライラしている」という状態から「感情が爆発してしまうようになった」という変化があった場合には、脳がかなりのストレスにさらされている状態です。
過度のストレスは集中力を低下させる
ストレスホルモンのコルチゾールは、集中力にも大きく関係しています。
前頭前野は、集中力を高める働きを担っているため、強いストレスにより前頭前野の働きが低下すると、集中が途切れやすくなってしまいます。
仕事や勉強、日常生活など、あらゆる場面で集中力がなくなってしまうと、さまざまな問題が起こります。
仕事でミスが増えてしまったり、勉強が頭に入らなかったり、今まで難なくできていた生活の中の作業さえままならなくなってしまうこともあります。
「集中して作業ができない」「何度聞いても内容が頭に入らない」「普段できることがうまくできない」などの問題があった場合には、ストレスによって集中力が大きく失われている可能性があります。
ストレスにさらされ続けると起こるうつ症状
上記のような「脳疲労」の状態が続くと、次第にうつ症状が強くなってきます。
うつ病というと心の病のように思う方も多いかと思いますが、実際は脳の機能障害です。
簡単にいうとストレスによって脳内のバランスが崩れ、エネルギーが低下した状態と言っていいでしょう。
うつ病の症状は、決して「気の持ちよう」などではないため、正しい治療を受けて少しずつ改善を目指す必要があります。
うつ病の全てがストレスによるものとは言い切れませんが、過度なストレスにさらされ続けた脳は、うつの症状を悪化させてしまうため、注意が必要です。
うつの症状が気になった場合には、脳神経内科、精神科などで相談した上で、適切な治療を続けていくようにしましょう。
クリニック情報

枚方市の『服部あたまクリニック』は、脳の病気を専門としています。
あたまの健康を保つことは、有意義な人生を過ごすための基本です。
患者様が安心して日々を過ごし、生活改善に努めていこうと思っていただけるような親切・感謝・愉快をモットーとした診療を行っています。
少しでも気になることがあれば、京阪「枚方市駅」すぐの『服部あたまクリニック』へいつでもご相談にいらしてください。