
高齢者の転倒リスクが高いと言われるのは、なぜだかご存じでしょうか。
加齢によるふらつきや転倒には、さまざまな要因があるといえます。
「何もないところで転んでしまった」「ベッドから落ちてしまった」といった話を聞いたことがある方も多いでしょう。
今回はそんなふらつきの原因について、紹介していきます。
高齢の方と一緒にお住まいのご家族の方や介護中の方は、一つの知識として知っておいていただけたらと思います。
原因1.神経機能の老化によって平衡感覚が低下している
年齢を重ねていくと、体の至る所に衰えが生じるのはある程度仕方のないことです。
例えば、神経系に老化が起こると平衡感覚の情報処理がうまくできなくなることがあります。
平衡感覚が鈍ると、歩行していてもふらついてしまいます。
若くて健康な人でも、バランス感覚のとりづらいところではフラフラして倒れ込んでしまうことがありますが、そういった状態が常時続くことで、高齢者の転倒リスクが高くなっているといえます。
原因2.糖尿病による自律神経の疾患、起立性低血圧など

糖尿病になると、自律神経障害や起立性低血圧といった症状が出現することがあります。
自律神経に乱れが生じると、めまいが起こりやすくなるため、ふらつきの原因になります。
また、起立性低血圧は特に立ち上がったときに激しいめまいが起こり、立ちくらみがしたり、ひどい場合には失神してしまうこともあります。
普段の生活の中で、こうした症状に気付かず立ち上がった際にふらついてしまうのは、高齢者に多く見られる症状の一つです。
前提として糖尿病の治療や改善が必要ですが、生活の中での予防としてはゆっくり立ち上がること、手すりを持って移動することを意識すると良いでしょう。
原因3.足腰、膝などの関節が硬くなっている
加齢によって足腰や膝を悪くしてしまう方はとても多くいらっしゃいます。
これは、病気によるものだけではなく、老化によって関節が少しずつ硬くなっていることも原因です。
関節が硬くなってしまうと、体が思うように動かなくなってしまいます。
支えを使って歩いたり、ゆっくり動くことを意識したりすることで転倒のリスクは軽減されますが、関節の衰えによってうまく体が動かず、ふらついたりよろけたりしてしまうのです。
対策としては、なるべく関節が硬くならないように普段から体を動かすことが大切です。
原因4.脳卒中やくも膜下出血など、脳疾患の可能性
脳卒中やくも膜下出血といった脳疾患は、命に関わる重大な病気です。
こうした病気のサインとして、急なふらつきやめまいという症状があります。
突然足元がおぼつかなくなったり、何もしていないのにフラフラしたりすることがあった場合は、早急にクリニックで検査を受けるようにしましょう。
また、脳疾患の後遺症としてめまいや立ちくらみ、ふらつきといった症状が残っているケースもあります。
そんなふらつきの症状は、転倒リスクを高め、さらなる怪我や病気に繋がってしまうこともありますので、決して無理に動こうとせず、体を支えながらゆっくりと動くようにしましょう。
原因5.筋力の衰えや姿勢の悪化
加齢による体の老化として最も有名なのが筋力の衰えです。
年齢を重ねると、力が弱くなったり、体力が衰えたりと、さまざまな変化が現れます。
筋肉の力が弱くなると、姿勢が悪くなってしまったり、咄嗟の時に体を支えられなくなってしまったりと、いろいろな問題が起こります。
特に足腰の筋力が衰えると、歩いていてもふらついたり立ち上がった時に力が入らずよろけてしまったりすることがあります。
一方で、筋力の衰えについては、病気の後遺症などよりも予防がしやすいものでもあります。
毎日少しでも歩くこと、筋肉を使うことを日常の中で意識することが大切です。
また、姿勢が悪くならないように家族がサポートしたり、一緒に軽い運動習慣を持ったりすることでもある程度筋力をキープすることができるでしょう。食事も大事です。タンパク質をしっかり摂取することが筋肉の萎縮を防ぐことになります。お肉、魚、卵のうち好きなものでよいですから積極的に食べてください。ちなみに私は一日卵を3-5個食べています。
クリニック情報

枚方市の『服部あたまクリニック』は、あたまの病気を専門としています。
あたまの健康を保つことは、有意義な人生を過ごすための基本です。
患者様が安心して日々を過ごし、生活改善に努めていこうと思っていただけるような親切・感謝・愉快をモットーとした診療を行っています。
少しでも気になることがあれば、京阪「枚方市駅」すぐの『服部あたまクリニック』へいつでもご相談にいらしてください。