めまい

めまいについて

脳が原因のめまいの多くは小脳の働きに支障が出ることで生じます。身体のバランスを保てなくなり、ふらつきなどが起こります。
体のバランスは、目・耳の三半規管・脊髄・全身の筋肉などからの情報を小脳が統合して保っています。ですからこの目、三半規管、脊髄、筋肉、小脳のいずれの不具合でもめまい、ふらつきが生じうるのです。

めまいの症状

回転性のめまい

• 景色や天井が回るように感じる
• 壁が流れているように感じる
• 身体が傾く
• 身体引っ張られる感覚がある

卒倒感のあるめまい

• 立ちくらみがある
• 気が遠くなるような感覚がある
• 目の前が真っ暗になる
• 血の気が引く
• 倒れてしまいそうな感覚がある

浮動性のめまい

• 宙に浮いたような感覚がある
• 足元がふらつく
• よろめく
• 頭がふらふらする
• ろれつが回らなくなる

めまいの種類や原因

良性発作性頭位めまい症

耳の奥には内耳といって頭の向きを感知してバランスを取っているところがあります。ここに存在する耳石というカルシウムの粒がはがれ、三半規管に入り込んでしまうことが原因で起こるのが良性発作性頭位めまい症です。
起き上がるときや寝返りによって急に起こり、数分以内の回転性めまいが発症します。通常、耳鳴りや難聴はありません。

前庭神経炎

内耳から脳へ情報を伝える前庭神経に不具合が生じて起こります。詳しい原因は分かっていません。しかし、風邪を引いている方に多く見られるためウイルス感染が原因ではないかと考えられています。
回転性のめまいが数日続き、吐き気や嘔吐を伴うケースもあります。通常、耳鳴りや難聴はありません。

メニエール病

メニエール病は、内耳のリンパ液が増え過ぎて、むくんでいる状態です。これによって強い回転性めまいが起こります。
一歩も動けないような強いめまいが特徴です。耳鳴り・難聴・耳の閉塞感を伴います。

突発性難聴

突然、左右の耳のどちらかの聞こえが悪くなったり、聞こえなくなったりします。まれに両方の耳が聞こえなくなる方もいます。耳鳴りを伴うめまいが起こり、数日続くことも少なくありません。
突発性難聴は治療が遅れると聴力が戻らないケースがあるため、一刻も早く耳鼻咽喉科を受診し早期治療を受けてください。

脳卒中

脳梗塞・脳出血・くも膜下出血によっても、めまいが起こります。脳の血管が詰まることや破れることによって、血管と関連している脳機能に障害が起こっている状態です、緊急対応が必要です。
呂律が回らなくなったり、しびれや脱力感や頭痛を伴う場合は、当院受診している暇はありません。ためらうことなく救急車を呼んでください。

パニック障害

精神疾患によって引き起こされるめまいもあります。特定の状況でパニック発作が起こるパニック障害の場合、突然の強い不安におそわれ、めまいのほかにも動悸や息切れが出るケースが多いです。

めまいの治療

聴力低下を伴わないめまいの場合は、三半規管や内耳に作用する抗めまい薬の内服によって治療します。
関係する疾患や症状によって、脳循環代謝改善薬・抗ヒスタミン薬・抗不安薬・抗うつ薬・筋弛緩薬などを使用する場合もあります。また、場合によっては、漢方薬や注射も有効です。